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公開ステータス - 公開停止(FRaU the earth)

『資本論』に重なる落語の世界観

江戸時代から現代まで長く愛されてきた日本の代表的な話芸・落語と、19世紀にカール・マルクスによって書かれ以後の世界に多大な影響を与えた『資本論』。まったく接点のなさそうな両者にいくつも共通項を見出し、多彩なエピソードと巧みな語り口で、シビアな今の社会を切れ味良く論じた快著が現れた。落語家・立川談慶さんの『落語で資本論 世知辛い資本主義社会のいなし方』 だ。

金儲け至上主義を野暮なものとして嫌う古典落語の世界観は、資本主義の不完全さを指摘した『資本論』に重なる、と談慶さんは言う。さらに師匠である故・立川談志とマルクスを対比させ、時代も立場も大きく違えど、共に未来を見据えて舌鋒鋭く言葉で戦い続けた2人の真意に思いを馳せる。あわせて、古典落語のさまざまな名作のあらすじを手際よく紹介し、逸話や裏話、体験談、ギャグなど“落語的脱線”もふんだんに盛り込んで、随所で読者の興味を掻き立てていく。

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『資本論』には「難解」のイメージが付きまとい、読みかけたが途中でやめたという人も多いようだ。恥ずかしながら筆者もその1人で、学生時代にしばらく読み進めたものの、難しげな用語や文章に戸惑い、読了できなかった。本書ではその点、『資本論』のとっつきにくそうな言い回しや概念も、現代日本の読者にわかりやすい表現に大胆に噛み砕いてくれているのでありがたい。「つまらない正解より面白い超訳を」と語る談慶さんの面目躍如たる一冊だ。

いったいどんな経緯でこのユニークな本が生まれたのか。読んだ後になぜ元気が湧いてくるのか……。談慶さんは歯切れよく語ってくれた。

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