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公開ステータス - 反映待ち & public: false(FRaU edu)

資本主義の否定ではない

「左翼でもなく右翼でもなく仲良く」。これが落語家・立川談慶さんのスタンスだ。

ふだんから地元の自民党支持層とも、革新政党の政治家とも親しく付き合っているという。ちなみにこの点は師匠の立川談志譲りのようで、談慶さんによると、談志邸には右翼団体のTシャツと中核派のヘルメットが一緒に置かれていたのだとか。

新著『落語で資本論 世知辛い資本主義社会のいなし方』にも、その絶妙のバランス感覚が生きている。本書はもとより資本主義を否定する内容ではない。マルクスの『資本論』を手がかりに社会の仕組みを探り、見えてきた資本主義の原理を、落語の世界と重ねて軽妙自在な語り口で論じた一冊だ。談慶さんは資本主義によって社会が繁栄してきたことを認め、その恩恵に感謝しつつ、一方で人々を苦しめる側面も鋭く指摘する──笑いを誘うさまざまなエピソードを交えて。

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筆者は1年ほど前、談慶さんから「今、落語と資本論の本を書いてるんですよ」と聞かされ、意表を突かれると同時に大いに興味を感じた。ただ、どんな本が出来上がるのかは想像もつかなかった。

刊行されるとさっそく一気に読み、これは『資本論』という古典の扉を、落語という鍵によって、一部の信奉者だけでなく多くの一般の人々に向けて大きく開く本でもある、とすっかり感心した。その切り口を魅力あるものにしているのは、前述した談慶さんの大らかなバランス感覚と、長い歴史に培われた落語世界の豊穣さであろう。

本書の内容は多岐にわたるが、特に「資本主義に呑み込まれることなく、主導権を持って自分の人生を生きよう」というメッセージが、筆者の胸に強く響いた。

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